地方創生の罠
バラマキを止めなければ、「地方消滅」はより加速する。
全員が不幸になる「地方創生」という愚策の実態。
- 定価
- 998円(本体907円+税10%)
- ISBN
- 9784781650715
- JANコード
- 1920230009071
- NDC分類
- 318
- 発売日
- 2016年8月8日
- 判型
- 新書判
- 製本
- 並
- ページ数
- 272ページ
- カテゴリー
-
政治・社会
詳細Detail
- 内容紹介
- 目次
結局できるのは「同質社会」ではないか
人口減少、少子高齢化、空洞化の波は、否応なく地方の安楽な暮らしを奪っている。地方は大都市より不便で人口が少なく、仕事場は中央の補完工場でしかない。いったい、それの何が悪いのか。
視点を変えれば、グローバル化とICT技術によるデジタルエコノミーが進化し続けるいま、地方は直接、世界と繋がることができる。中央発想の「経済成長神話」に左右されることなく、むしろダウンサイズして黒字化を図ることは充分可能だ。身の丈にあった地域経済社会をことが早急に再構築することが地方の真の幸福に結びつく。一刻も早く、20世紀型のインフラ整備、バラマキ振興策を止めなければ、「地方消滅」はより加速する!
山田 順(やまだ・じゅん)
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し、編集長を務める。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、作家・ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースも手掛ける。主な著書に『出版大崩壊』(文春新書)、『資産フライト』(文春新書)、『本当は怖いソーシャルメディア』(小学館)、近著に『円安亡国』(文春新書)、『希望の地としての新興アジア』(実務教育出版)がある。
人口減少、少子高齢化、空洞化の波は、否応なく地方の安楽な暮らしを奪っている。地方は大都市より不便で人口が少なく、仕事場は中央の補完工場でしかない。いったい、それの何が悪いのか。
視点を変えれば、グローバル化とICT技術によるデジタルエコノミーが進化し続けるいま、地方は直接、世界と繋がることができる。中央発想の「経済成長神話」に左右されることなく、むしろダウンサイズして黒字化を図ることは充分可能だ。身の丈にあった地域経済社会をことが早急に再構築することが地方の真の幸福に結びつく。一刻も早く、20世紀型のインフラ整備、バラマキ振興策を止めなければ、「地方消滅」はより加速する!
山田 順(やまだ・じゅん)
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し、編集長を務める。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、作家・ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースも手掛ける。主な著書に『出版大崩壊』(文春新書)、『資産フライト』(文春新書)、『本当は怖いソーシャルメディア』(小学館)、近著に『円安亡国』(文春新書)、『希望の地としての新興アジア』(実務教育出版)がある。
はじめに
第一章 「ゆるキャラ」「B級グルメ」は効果なし
「ゆるキャラ」を見るたびに腹が立つ
「ゆるキャラグランプリ」がもたらした弊害
結局、儲けたのは広告代理店やデザイナーなどのプロ
なんと全部で九二体も「ゆるキャラ」をつくった大阪府
結局、利権化してしまった「B‐1グランプリ」
北海道小樽市の「寿司通り」の失敗
地域とは縁もゆかりもない「一発勝負」
結局できるのは「同質社会」ではないのか?
第二章 「ふるさと納税」「プレミアム商品券」の欺瞞
知らなかった「ふるさと納税」の仕組み
ふるさと納税が抱える四つの問題点
国と納税者のいる自治体が損をする
ふるさと納税は税の公平性に反している
勝ち組市町村は永遠に勝ち組ではいられない
「プレミアム商品券」で不正が相次いで発覚
プレミアム商品券の問題点とはなにか?
消費の先取りをするだけの単なるバラマキ
新円切替の実験ではないかという見方
第三章 「成長しなければならない」という神話
インフラ整備型の振興策は時代遅れ
なぜ「地方創生」政策が始まったのか?
続々誕生した「特区」でなにかが変わったか?
看板の付け替えという予算のトリック
アイデアと方策がないまま会議は繰り返される
本当の狙いは「バラマキ」による選挙対策
適当なことを言うだけの地方創生コンサル
「地方創生」より「地方消滅」の準備を
「第三セクター」「ふるさと創生」という失敗例
地方創生ビジネスは最悪の〝レッドオーシャン〟
国や地方の枠組みで経済政策を行うのは無意味
経済成長という「神話」では地方は生き残れない
第四章 国にも自治体にもアイデアなし
日本が人口一〇〇人の「一〇〇人村」としたら
復興事業が破壊する日本人の「絆」
同窓会に補助金を出してなんになるのか?
「地域おこし協力隊」という定住推進事業
地方自治体と人材の「本気度」によるミスマッチ
「新型交付金」で導入された事業審査
これでいいのか!? 「地方創生」交付金事業の中身
なにもしなければ素晴らしい自然が残る
第五章 地方マイルドヤンキー消滅危機
「日本人の九割がヤンキーになる」という記事
マイルドヤンキーが地方創生の担い手に?
東京にエリート、地方にヤンキーという社会構造
衰退する冠婚葬祭産業、消滅する「お寺さん」
若者がクルマを買わなくなった理由は?
ショッピングセンターの撤退でマイルドヤンキーが消滅の危機
ロボットが人間の仕事を奪う未来が現実化
安倍首相の楽観主義を否定するWEF報告書―五〇〇万人が失業する
ヤンキーたちが少子化、人口減を救っている
ヤンキーを救うのは「英語」と「ITC」教育
第六章 新幹線・リニア新幹線が地方を滅ぼす
安倍首相の口から飛び出した「リニア前倒し計画」
二〇四五年、東京~大阪間を一時間七分で結ぶ
「経済効果」の試算にはほぼ根拠がない
最初の停車駅がある神奈川県の皮算用
システムが違う鉄道が三つできるだけ
政治的思惑で、将来世代に負担がのしかかる
なぜ赤字確実の新幹線をつくり続けるのか?
大都市圏につながることでかえって衰退する
第七章 ロボットカーが地域を走る未来
次々と廃線に追い込まれるローカル鉄道
「ネット配車サービス」するだけの会社ではない
自動車メーカーが求められる三つのシフトチェンジ
フィアット・クライスラー(FCA)の裏切り
グーグルは自動車メーカーにならないという意味
トヨタが進めているロボット・ベンチャーの買収
クルマを持つことからシェアすることへの大転換
スマホでロボットカーを呼び出し「相乗り」
ICT技術を活用して赤字路線を黒字転換
第八章 ソーラーパネルによる環境破壊
宮崎県は太陽光発電がもっとも進んだ県
美しい清里高原のあちこちにパネル畑が出現
パネルを設置すれば確実に儲かる仕組み
五〇kW以下だと電力会社に「丸投げ」できる
地球温暖化は防げても電気料金は安くならない
ドイツはついに「固定価格買取制度」を廃止に
第九章 地方銀行の崩壊が進んでいる
地方銀行の「大再編」時代がやってきた
「負け組地銀」と「勝ち組地銀」に二極化する
地銀の事業に持続可能性があるのか?
「フィンテック」でなにが起こるのか?
ヘッジファンドも「AIトレード」が主流に
二〇一八年三月期には地銀の八割が減益に転じる
第一〇章 地方議員、公務員なんていらない
議員報酬を引き上げた富山市と名古屋市
河村名古屋市長の「議論を見守る」発言を勝手に解釈
地方議員の報酬は高いのか、安いのか?
政務活動費で東南アジア買春旅行まで!
地方議会は年四回、ヒマな議員は遊興三昧
議員はボランティア、議会は土日か、平日の夜
地方公務員の平均年収は民間より二五〇万円も高い
安倍首相が行った給与アップの〝快挙〟
公務員給料を下げなければ「地方創生」はできない
第一一章 バラマキ政治は必ず破綻する
バラマキを続けても経済成長は望めない
アベノミクスは中小企業を破壊している
アルゼンチンはなんでデフォルトしたのか?
ベネズエラが陥ったバラマキ政治の罠
逃げられる人から真っ先に逃げ出す
田中角栄は史上最大の「バラマキ王」
「コンクリートから人へ」もバラマキ
「大きな政府」は民主政治を破壊する
北海道夕張市が残した「教訓」を生かせ!
おわりに
第一章 「ゆるキャラ」「B級グルメ」は効果なし
「ゆるキャラ」を見るたびに腹が立つ
「ゆるキャラグランプリ」がもたらした弊害
結局、儲けたのは広告代理店やデザイナーなどのプロ
なんと全部で九二体も「ゆるキャラ」をつくった大阪府
結局、利権化してしまった「B‐1グランプリ」
北海道小樽市の「寿司通り」の失敗
地域とは縁もゆかりもない「一発勝負」
結局できるのは「同質社会」ではないのか?
第二章 「ふるさと納税」「プレミアム商品券」の欺瞞
知らなかった「ふるさと納税」の仕組み
ふるさと納税が抱える四つの問題点
国と納税者のいる自治体が損をする
ふるさと納税は税の公平性に反している
勝ち組市町村は永遠に勝ち組ではいられない
「プレミアム商品券」で不正が相次いで発覚
プレミアム商品券の問題点とはなにか?
消費の先取りをするだけの単なるバラマキ
新円切替の実験ではないかという見方
第三章 「成長しなければならない」という神話
インフラ整備型の振興策は時代遅れ
なぜ「地方創生」政策が始まったのか?
続々誕生した「特区」でなにかが変わったか?
看板の付け替えという予算のトリック
アイデアと方策がないまま会議は繰り返される
本当の狙いは「バラマキ」による選挙対策
適当なことを言うだけの地方創生コンサル
「地方創生」より「地方消滅」の準備を
「第三セクター」「ふるさと創生」という失敗例
地方創生ビジネスは最悪の〝レッドオーシャン〟
国や地方の枠組みで経済政策を行うのは無意味
経済成長という「神話」では地方は生き残れない
第四章 国にも自治体にもアイデアなし
日本が人口一〇〇人の「一〇〇人村」としたら
復興事業が破壊する日本人の「絆」
同窓会に補助金を出してなんになるのか?
「地域おこし協力隊」という定住推進事業
地方自治体と人材の「本気度」によるミスマッチ
「新型交付金」で導入された事業審査
これでいいのか!? 「地方創生」交付金事業の中身
なにもしなければ素晴らしい自然が残る
第五章 地方マイルドヤンキー消滅危機
「日本人の九割がヤンキーになる」という記事
マイルドヤンキーが地方創生の担い手に?
東京にエリート、地方にヤンキーという社会構造
衰退する冠婚葬祭産業、消滅する「お寺さん」
若者がクルマを買わなくなった理由は?
ショッピングセンターの撤退でマイルドヤンキーが消滅の危機
ロボットが人間の仕事を奪う未来が現実化
安倍首相の楽観主義を否定するWEF報告書―五〇〇万人が失業する
ヤンキーたちが少子化、人口減を救っている
ヤンキーを救うのは「英語」と「ITC」教育
第六章 新幹線・リニア新幹線が地方を滅ぼす
安倍首相の口から飛び出した「リニア前倒し計画」
二〇四五年、東京~大阪間を一時間七分で結ぶ
「経済効果」の試算にはほぼ根拠がない
最初の停車駅がある神奈川県の皮算用
システムが違う鉄道が三つできるだけ
政治的思惑で、将来世代に負担がのしかかる
なぜ赤字確実の新幹線をつくり続けるのか?
大都市圏につながることでかえって衰退する
第七章 ロボットカーが地域を走る未来
次々と廃線に追い込まれるローカル鉄道
「ネット配車サービス」するだけの会社ではない
自動車メーカーが求められる三つのシフトチェンジ
フィアット・クライスラー(FCA)の裏切り
グーグルは自動車メーカーにならないという意味
トヨタが進めているロボット・ベンチャーの買収
クルマを持つことからシェアすることへの大転換
スマホでロボットカーを呼び出し「相乗り」
ICT技術を活用して赤字路線を黒字転換
第八章 ソーラーパネルによる環境破壊
宮崎県は太陽光発電がもっとも進んだ県
美しい清里高原のあちこちにパネル畑が出現
パネルを設置すれば確実に儲かる仕組み
五〇kW以下だと電力会社に「丸投げ」できる
地球温暖化は防げても電気料金は安くならない
ドイツはついに「固定価格買取制度」を廃止に
第九章 地方銀行の崩壊が進んでいる
地方銀行の「大再編」時代がやってきた
「負け組地銀」と「勝ち組地銀」に二極化する
地銀の事業に持続可能性があるのか?
「フィンテック」でなにが起こるのか?
ヘッジファンドも「AIトレード」が主流に
二〇一八年三月期には地銀の八割が減益に転じる
第一〇章 地方議員、公務員なんていらない
議員報酬を引き上げた富山市と名古屋市
河村名古屋市長の「議論を見守る」発言を勝手に解釈
地方議員の報酬は高いのか、安いのか?
政務活動費で東南アジア買春旅行まで!
地方議会は年四回、ヒマな議員は遊興三昧
議員はボランティア、議会は土日か、平日の夜
地方公務員の平均年収は民間より二五〇万円も高い
安倍首相が行った給与アップの〝快挙〟
公務員給料を下げなければ「地方創生」はできない
第一一章 バラマキ政治は必ず破綻する
バラマキを続けても経済成長は望めない
アベノミクスは中小企業を破壊している
アルゼンチンはなんでデフォルトしたのか?
ベネズエラが陥ったバラマキ政治の罠
逃げられる人から真っ先に逃げ出す
田中角栄は史上最大の「バラマキ王」
「コンクリートから人へ」もバラマキ
「大きな政府」は民主政治を破壊する
北海道夕張市が残した「教訓」を生かせ!
おわりに