内閣官房長官秘録

大下英治

巨像蠢く政界に凄腕官房長官あり!
歴代総理、内閣官房の秘密。歴代ナンバーワン官房長官は誰か。

定価
998円(本体907円+税10%)
ISBN
9784781650371
JANコード
1920230009071
NDC分類
312
発売日
2014年10月20日
判型
新書判  
製本
ページ数
432ページ
カテゴリー
政治・社会
シリーズ
イースト新書

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
巨像蠢く政界に凄腕官房長官あり! 中曾根康弘総理にペルシャ湾岸への自衛隊派遣に異議を申し立てた〝カミソリ″後藤田正晴。戦後最大の宰相・田中角栄の派閥の流れをくみだ経世会支配――竹下政権には「三人の官房長官がいる」と言われた。竹下登総理、小渕恵三官房長官、そしてと若き日の〝剛腕″官房副長官・小沢一郎である。経世会は、のちに自公政権の礎を築いた〝策士″野中広務と小渕総理急死の首相臨時代理から〝参議院のドン″となる青木幹雄という「衆参のドン」となる官房長官を輩出する。現職官房長官・菅義偉の師匠・梶山静六の知られざる戦略家のDNAは、菅に受け継がれたのか。「安倍政権の最大のキーマン」菅義偉内閣官房長官の次なる一手、此の男の政権戦略が日本政治を震わす!

大下英治(おおした・えいじ)
1944 年広島県に生まれる。1 歳のとき被爆。父を失う。苦学の末、広島大学文学部仏文学科を卒業。大宅壮一マスコミ塾第七期生。1970年、『週刊文春』特派記者いわゆる“トップ屋”として活躍。圧倒的な取材力から数々のスクープをものにする。月刊『文藝春秋』に発表した『三越の女帝・竹久みちの野望と金脈』が大反響を呼び、三越・岡田社長退陣のきっかけとなった。1983年、『週刊文春』を離れ、作家として独立。政治、経済、芸能、闇社会まで幅広いジャンルにわたり旺盛な執筆活動を続ける。『小説電通』でデビュ後、『実録 田中角栄と鉄の軍団』、『美空ひばり 時代を歌う 』、『小沢一郎の最終戦争』、『昭和闇の支配者』〈全六巻〉、自叙伝『トップ屋魂』、『巨頭 孫正義』、『田中角栄秘録』(イースト新書)、『児玉誉士夫闇秘録』(イースト新書)、『悲しき歌姫 藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾』、『日本共産党の深層』、『リクルートの深層』、『公明党の深層』(イースト新書)等、著書は400冊以上に及ぶ。
はじめに

序 章 〝カミソリ〟後藤田の諫言
後藤田は、田中角栄の〝レディ・ダガー〟だ
〝カミソリ〟後藤田の本領
日本の参謀「オトボケ後藤田」
後藤田の諫言―「あなた、これは戦争になりますよ」
アリの一穴を開けるな!

第一章 内閣官房長官・菅義偉秘録
秋田の農家に生まれて
ノンポリ学生から大臣秘書官へ
運命だから
中央打破―横浜市議から国政へ
「秋田県出身」を名刺に衆議院初当選
菅だけは、絶対に許さない
派閥の力
〝加藤の乱〟の蹉跌
拉致問題と安倍晋三
総務省人事を掌握
一本釣り
ポスト小泉と地方分権
タブーだったN‌H‌K受信料値下げ
誰の権限で決めたのか
「ふるさと納税」への情熱
年金記録問題に乗り出す
消えた年金問題の本質
安倍首相、体調悪化と総辞職
古賀誠の度量
リーマンショックと解散時期の迷走
総理の一言は重い
解散戦略
小沢一郎の影
下野と脱派閥
菅義偉、三つの強味
「法政はわたしの誇りです」

第二章 安倍晋三の懐刀・菅義偉
安倍晋三の背中を押す
総裁選―このチャンスを見逃すんですか!
安倍総裁誕生への道程
最高の官房長官
梶山静六の薫陶―官僚に騙されるな
アルジェリア人質事件と危機管理の舞台裏
「安倍政権最大のキーマン」と呼ばれる所以
菅の一喝
日本版N‌S‌Cの必要性
官房長官の一日
財務省を一喝
単独インタビューを受けて立つ
「暗黙の了解」は時に破られる
記者と同じ土俵に決して上がらない
菅の政治勘

第三章 安倍政権の深層
消費増税決定とオリンピック
支持率が落ちても構わない
政権の「危機管理人」
靖国参拝と閣内コントロール
慰安婦問題を外交問題化させてはいけない
政治主導のT‌P‌P交渉
国民の食いぶちを探すこと
農業の六次産業化
福島にいて判断するように
電力のベストミックスと発送電分離
「ハイブリッド型」官僚掌握術
沖縄人の気持ちがわかるか
拉致被害者再調査実施の舞台裏
「集団的自衛権」閣議決定と自公交渉
地方を破綻させない法整備
本社機能移転で出生率を倍増させたコマツ
女性人材登用でG‌D‌Pは一五パーセント上昇する
「鶴の一声」―政治主導人事
官邸主導の意思決定
官房長官の重み―小泉純一郎との共通センス
怖い官房長官
長官留任―内閣と官邸の要
総理もやっていける
自分の力で這い上がってきた
「菅総理」待望論
官房長官こそ天職

第四章 竹下内閣と小沢一郎、消費税国会、リクルート事件
竹下内閣には三人の官房長官がいる
日米建設交渉に抜擢された小沢官房副長官
小沢はタフ&フェア・ネゴシエーターだ
消費税国会の攻防
リクルート疑惑発覚に激震する竹下政権
「竹下国対内閣」と小沢一郎
昭和天皇崩御と「平成」元号発表
「中曽根証人喚問」問題と竹下内閣総辞職

第五章 知られざる梶山静六の胆力と戦略
住専処理と大蔵省主導「護送船団方式」の限界
官僚の抵抗を抑えつける梶山官房長官
一・龍会談
自分が書いた合意文書
中央集権的財政運営への懐疑

第六章 自公連立の礎を築いた「策士」野中広務
土下座して、「野中官房長官」を就任を頼んだ小渕総理
耳触りのいい話はいらん
官房副長官という出世コース
野中広務と鈴木宗男の二人三脚
野中広務が目論んだ小沢自由党というワンクッション
野中・小沢会談
自自連立合意
駄目だ、沖縄で行け!
自公連立の礎を築いた男

第七章 総理急死の首相臨時代理─青木幹雄の政局勘
小沢自由党連立離脱―政策というより体質の問題だ
小渕総理倒れる
総理急死の首相臨時代理と「五人組」批判
「衆参のドン」野中広務と青木幹雄

あとがき

写真提供:朝日新聞社

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