昭和プロレス正史 上巻

斎藤文彦

活字プロレス誕生から60余年――。
いま初めて綴られる、プロレスのほんとうの歴史。

定価
2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBN
9784781614724
NDC分類
788
発売日
2016年9月15日
製本
ページ数
488ページ
カテゴリー
趣味・実用

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
日本のプロレス史は力道山、馬場、猪木という3人の偉大なスーパースターにつくられた。彼らの歴史的な試合や事件の多くは主に田鶴浜弘、鈴木庄一、櫻井康雄という3人のプロレス・マスコミのパイオニアによって綴られてきたが、ひとつの史実でも語り部によってそのディテールが異なっている。たとえば力道山のプロレス入りのきっかけとなったとされるハロルド坂田との出会いや、力道山から馬場、そして現在の三冠王座へと継承されたインター王座の出自についても、それぞれストーリーが違ってくる。本書は過去60余年に活字化された複数のナラティブを並べ、ベテランのプロレスライターでありスポーツ社会学者でもある著者が丁寧に検証し、昭和プロレス史の真相に迫った大作である。

斎藤文彦(さいとう・ふみひこ)
1962年、東京都杉並区生まれ。プロレスライター、コラムニスト。オーガスバーグ大学教養学部卒業、早稲田大学大学院スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科修了(スポーツ社会学)。在米中の81年より『プロレス』誌の海外特派員をつとめ、83年『週刊プロレス』創刊時より同誌記者として活動。海外リポート、インタビュー記事、巻頭特集などを担当した。主な著書に『いとしのプロレス in アメリカ 米マット界レポート』(ベースボール・マガジン社)、『プロレス大事典』(小学館)、『テイキング・バンプ とっておきのプロレスリング・コラム』(ベースボール・マガジン社)、『DECADEプロレスラー100人の証言集』上下巻(ベースボール・マガジン社)、『ボーイズはボーイズ とっておきのプロレスリング・コラム』(梅里書房)、『レジェンド100 アメリカン・プロレス伝説の男たち』(ベースボール・マガジン社)、『みんなのプロレス』(ミシマ社)など。
はじめに

序章
“活字プロレス”の原点
田鶴浜弘とはどんな人物か
ズビスコ、ハッケンシュミット、ゴッチ
スポーツ・ジャーナリストとしてのバックボーン
田鶴浜ナラティブ=プロレス文学の原型

一章
力道山Ⅰ プロレス入り
力道山と坂田との遭遇
ゴースト・ライターの正体
力道山と坂田、“実録小説”の描き方
“運命的な出会い”は伝説か
力道山のデビュー戦
“庄一ナラティブ”とはいったいなにか
ボビー・ブランズ一行の興行

二章
力道山Ⅱ 昭和29年、巌流島の決闘
田鶴浜ナラティブによる力道山-木村戦
小島ナラティブによる力道山-木村戦
発掘された幻の木村発言
庄一ナラティブによる力道山-木村戦
『ビッグレスラー』誌の木村インタビュー
『ナンバー』誌の木村インタビュー
暴露インタビュー後の庄一・小島ナラティブ
櫻井ナラティブによる力道山-木村戦

三章
力道山Ⅲ インター王座のなぞ
ほんとうに力道山はテーズに勝ったのか?
“世界選手権者”テーズと米マット界
田鶴浜ナラティブによるテーズ-力道山戦
庄一ナラティブによるテーズ-力道山戦
改ざんされたフィニッシュ
櫻井ナラティブによるテーズ-力道山戦
“テレビ中継なし”が意味するもの

四章
力道山Ⅳ 出自
出自に初めて言及したプロレス・マスコミ
プロレス・マスコミ以外の力道山ストーリー
なぞを解き明かした最初のノンフィクション
戸籍抄本と除籍原本を正確に記述
学者がプロレスについて書くことの限界?
“昭和のヒーロー”以前の力道山
プロレス・マスコミから出た見解
力士・力道山の新弟子時代

五章
力道山Ⅴ プロレスとメディア
メディアイベントとして誕生した日本のプロレス
プロレス対柔道からシャープ兄弟来日まで
力道山-木村戦と日本プロレス界統一
プロレス転向の東富士と力道山との関係
テーズへの挑戦とインター王座獲得
政界との深い関わり

六章
馬場と猪木Ⅰ デビュー
諸説ある馬場のプロレス入りのいきさつ
力道山急逝から馬場インター王座獲得まで
暴力団との黒いつながり
国際プロレスとの二団体時代突入
東京プロレス旗揚げと猪木対バレンタイン
猪木の日本プロレス復帰
国際プロレスの名勝負、ホッジ対マツダ

あとがき
引用・参考文献

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