跳びはねる思考

東田直樹

 僕は、二十二歳の自閉症者です。人と会話することができません。
 僕の口から出る言葉は、奇声や雄叫び、意味のないひとりごとです。
 普段しているこだわり行動や跳びはねる姿からは、僕がこんな文章を書くとは、誰にも想像できないでしょう。――(本文より)

定価
1,430円(本体1,300円+税10%)
ISBN
9784781612454
NDC分類
916
発売日
2014年9月5日
判型
B6判  
製本
ページ数
224ページ
カテゴリー
文芸・小説

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
会話ができないもどかしさ、意に沿わない行動をする身体を抱え、だからこそ、一語一語を大切に発してきた重度自閉症の作家・東田直樹。 小学生の頃から絵本やエッセイなど、多くの作品を執筆してきた彼が「ひとりの22歳の人間」として書いた、鋭く、清冽な、驚異のエッセイ。

東田直樹(ひがしだ・なおき)
1992年8月生まれ、千葉県在住。 会話のできない重度の自閉症者でありながら、文字盤を指差しながら言葉を発していく「文字盤ポインティング」やパソコンを利用して、援助なしでのコミュニケーションが可能。 第4回、第5回「グリム童話賞」中学生以下の部大賞受賞をはじめ、受賞歴多数。 2011年3月にアットマーク国際高等学校(通信制)卒業。 13歳のときに執筆した書籍『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール)において、理解されにくかった自閉症者の内面を平易な言葉で伝え、注目を浴びる。 2013年、同著が『The Reason I Jump』として翻訳され、現在20カ国以上で出版。 米・カナダのamazonベストセラーランキングでそれぞれ1位、米NYタイムス紙のベストセラーリストで3位を獲得するなど、海外で異例のベストセラーとなっている。 現在は、北海道から沖縄まで、全国各地で講演会を開催。 東京大学をはじめ、各大学や団体が主催するフォーラムや研修会においても多数登壇するなど、積極的に活動を続けている。
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はじめに

第1章 僕と自閉症
僕と自閉症
刺すような視線
障害を抱えて生きること
夏が来るたび
挨拶
植物
空いっぱいの青
interview 「壊れたロボット」のような体と向き合いながら。

第2章 感覚と世界
笑顔
乗り物

水が恋しい
フラッシュバック
観察
言葉
デジャブ
interview 音楽が、僕に言葉を運んでくれる。

第3章 他者とともに
悪い人間

話せない僕の望み
絆─
人の話を聞く
質疑応答
広くて狭い僕の世界
interview 自分が望むように、学びたかった。

第4章 考える歓び

心配性

新幹線の雨
夕日
空っぽな心
想像上の僕
よりどころ
interview 海外で初めての講演を終えて。
  
第5章 今を生きる
人生
苦しみ
必然と偶然

失敗
自己の確立
別れと始まり

根源的な人間の豊かさ 佐々木俊尚

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