生きる武器を持て トルストイの叡智

レフ・トルストイ 著 / 宮原育子 翻訳

言葉を武器に自分を越えろ。

定価
1,430円(本体1,300円+税10%)
ISBN
9784781607702
NDC分類
987
発売日
2012年4月12日
製本
ページ数
315ページ
カテゴリー
人文・思想

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
“智恵の贈り物シリーズ”




『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』などの作品を遺したロシア文学の巨星・トルストイ。彼は同時に、『人生の道』『光のあるうちに光の中を歩め』などの随筆で、人間のあるべき姿を世に問い続けた求道者だった。本書では、「人はいかに生きるべきか」という命題に正面から取り組んだ文豪の小説と随筆から、「愛」「苦悩」「成長」などのジャンルごとに、格調高く、それでいて新鮮みを失わない言葉を抜き出し、みずみずしい訳で「再生」した。
はじめに

Ⅰ 言葉を武器にするために
001 言葉の使い方が人間関係のすべてを決める。
002 常に寡黙を心がけよ。そして、自分ではなく相手のために言葉を用いよ。
003 筋を通さない人には、沈黙で返事をする。
004 神秘は言葉から生まれる。
005 耐え続けること、それは武器になる。
006 自分を変えるとは、今の習慣を変えることである。
007 死を想え。人生の疑問の答えは、すべてそこにある。
008 どんな過去があっても、今この瞬間、生き方を変えられる。
009 人生とは、無意味な悪の連続である。
010 不合理さに慣れないことが未来を変える力となる。
011 過去を引き受けることから、人生は始まる。
012 後悔はいつでもする価値がある。
013 欲を満たす努力の半分を、欲を捨てる努力に変える。するとより多くの幸せが手に入る。
014 今を変えたいなら、今の生活を棄てなければならない。
015 人生に喜びがないならば、自分のどこかが間違っているはずだ。
016 たったひとつの悪が重大な悪につながるという心の構造がある。
017 肉体の不調は、精神を拡張する好機となる。
018 人が持ちうる最高の魅力は、善良さと結びついた謙虚さだ。
019 絶望は、自分をだます。絶望させるのは、世の中ではなくて、あなた自身である。
020 恐れるべきものは、貧しさではなく富のほうである。
021 生きる理由はふたつ。自分を完成させて世界に奉仕し、世界に奉仕することで自分を完成させる。
022 見慣れたものがまったく違う顔を見せる。そんな瞬間は、誰にでも訪れる。
023 強くなりたければ、謙遜することだ。
024 時間というものは、現在にはない。
025 死の直前、ほんの少しだけ生きる瞬間を贈られたのが、今の状態なのだ。

Ⅱ 上手な他人とのつきあい方
026 他人の幸福や利益を口実にする者は、たいてい悪者である。
027 この世が成り立っているのは、自分の体をすり減らすような愛があるからだ。
028 その欲望は、本当に真実から生まれたものなのか。
029 自分については、良くも悪くも言わないほうがいい。
030 好きなことばかりをしていると、いつかそれは嫌なことになってしまう。
031 自分がより善良になることが、社会をより良く変える唯一の道になる。
032 本当なら、他人を非難する暇はないはずだ。
033 特別な能力を身につけたのならば、その力は他人を助けるためにある。
034 硬直した心は、「いつも自分は正しい」と思う気持ちから生まれ出る。
035 不当な評価を受けたら、必死にあらがうのではなく、小さなユーモアで笑い飛ばす。
036 嘘が生まれるのは、自分で自分を都合よくだましたいからである。
037 自分の善は小さく、他人の善は大きく。自分の悪は大きく、他人の悪は小さく。
038 己に才能があると思っている者は、しばしば他人を巧妙に非難する。
039 あなたの耳に心地よいことばかり言う人を決して近づけてはならない。
040 自分がしたことを簡潔に話せない人は、何かを隠している。
041 ひとりひとりの意志は地球の裏まで届く力を持っている。善きにつけ、悪しきにつけ。
042 有名にならなくてもいい。評価されなくてもいい。謙抑は最高の満足を与えてくれる。
043 便利になったのは、富める者の社会だけだ。
044 どんなに多くの欠点を持った人でも、他人を非難しなければ帳消しとなる。
045 自分の弱さを知ることは、他人の弱さを許すことにつながる。
046 社会に還元されない富は害悪である。
047 うぬぼれの強い人間は、自分がからっぽの人間だと喧伝しているようなものだ。
048 個人の良心は、世間の習慣よりも優先されるべきである。
049 「何をなすべきか」を忘れ、「誰に認められたいか」とばかり考えるのは、愚行である。
050 言葉と行動は別々のものではない。言葉も行動である。
051 あなたにとって、友人よりも敵のほうが役立つことがある。
052 「みんながそうしている」という考えは、悪い誘惑に他ならない。
053 正しい人間はいない。正しくなろうとし続ける人間がいるだけだ。
054 善き行いは、一番身近なところから始めなければ嘘になる。
055 戦争をなくす唯一の方法は、参加しない覚悟をみんなが決めることである。

Ⅲ 成長のための「経験」の活かし方
056 本当に学ぶべきものは、いつもほんの少しである。
057 本当に必要なことは何か、自分の頭で考えられなければ、無駄な知識に溺れるだけだ。
058 将来の社会を予想して学ばなければならない。
059 教えてくれさえすれば理解できる、と考えるのは誤りである。
060 専門家ではなく、教養人ではなく、賢者となれ。
061 一番大切な学問はすでにその手の中にある。
062 人生の掟を知ることは己を悪から守り、無益な知識は傲慢な罪に誘う。
063 なぜ学ぶのか。何を考えなくていいか知るためである。
064 芸術について多く語る者は、芸術を理解しない人である。
065 多くを学ぶほど、口数は少なくなっていく。
066 真実はときに、やるべきことではなく、やってはいけないことを教える。
067 相手を打ち負かすような論争は、真理にたどりつかない。
068 賢者は自分のために学び、愚者は他人のために学ぶ。
069 言葉は、私たちの生活に力を与えるが、その効果はすぐには現れない。
070 善き人のもとに真理は宿り、善き人だけが真理を伝えられる。
071 知識を学ぶ、それ自体を目的にしてはいけない。
072 多くのことを学んでも、自分を知ることができなければ意味がない。
073 賢さ自慢は、智恵のない者のやることだ。
074 子どもは暗示にかかりやすい。大事なのは、かける暗示をきちんと選ぶことだ。
075 人間が理解できるのは、理解できる範囲のものだけである。

Ⅳ 不幸を手放し、幸福を手にする方法
076 喜びは、それを得る結果ではなく求める過程にある。
077 幸福の鍵を、他人は持っていない。
078 自分の幸せのみを求めるのは、人間であることの否定に等しい。
079 争いの本質は個人の幸福の追求である。
080 復讐する権利を手放さないから不幸になっていく。
081 「自分は不幸だ」という人間は同情を集めることを暗い楽しみにしている。
082 結婚とは、自分と他人の生活を性的関係で結びつけることだ。
083 童貞のままで、罪を犯さずに生きられれば、それは立派なことだ。
084 苦痛を素直に受け入れられれば、人間的な成長の助けとなる。
085 苦痛に出会ったとき、無意味で不当だと拒絶するか、有意義で当然だと受容するか。
086 苦痛の量を減らすには、自分の中の誤りを減らすしかない。
087 苦痛は根絶できない。だからこそ、苦痛を理解し、減らしていくしかないのだ。
088 苦痛を得た者は幸福だ。真実へ進む力を得たからである。
089 強くなりたければ、水のようになれ。
090 心の中に善ではなく罪があるから、死は恐怖となる。
091 自分を恥じることができる人は、道徳的に優れた人である。
092 死に苦しみがともなうのは、生を拡充するためである。
093 幸せは、その可能性を信じ続けた人が手にできる。
094 苦しみから逃れることを考えるより、苦しみが与えてくれる成長をこそ想うべきである。
095 死というものの本質を意識できれば、人生の真理に近づく。
096 もし今あなたが自由でないのなら、その原因はあなた自身の中にある。
097 自由を得るのは簡単だ。自分の手の届く範囲だけを望めばいい。
098 幸せになるには、日々の努力が欠かせない。日々の努力の中にしか幸福はない。
099 努力は手段ではない。努力そのものが幸福をもたらす。
100 私たちは今すぐに貧しさから脱する方法を持っている。

Ⅴ この世界を生き抜くために
101 情欲は、いつのまにか心を支配する。
102 自分と他人は同じと気づくとき、新しい世界が開かれる。
103 本当の愛を持った者は、永遠の祝福を手に入れる。
104 うつろう時間と空間に依存するものを幻という。意識は幻ではない。肉体が幻だ。
105 死の確かさは恐怖ではない。生の不確かさこそ恐怖となる。
106 死してのちも、心に強く訴えかける存在。その人は死人だと言えるのだろうか。
107 私たちの理性が示すものは、命が生まれる前も、死んだ後も存在すると告げている。
108 善いことをする努力よりも、悪いことをしない努力が必要だ。
109 死を想うことで今を善く生きようとするのが精神の気高さである。
110 他人のために生きることが、自分のために生きることになる。
111 形があるものは、見聞きできるものは、本当に実在しているのか。
112 死を悪と見なくなったとき、世界のすべてが変わる。
113 人は、宗教なしに生きてきた歴史を持っていない。
114 私たちが一生かけてすべきことは、他人との間にある壁を愛で壊すことである。
115 生命の本質は、時間と空間の外側にある。
116 道徳なき宗教は、無用の長物。
117 現在の習慣や価値観にこだわる者が生きる意味を理解できることはない。
118 謙虚な人とは、自分にはまだ果たしていない義務があると考える人である。
119 死後の心配をすること自体が根本的な間違いなのだ。
120 特別な偉業はない。あなたの一生が偉業となる。

Ⅵ 人を愛することの効能
121 なぜ愛するか? 理由を求めれば愛は消える。
122 愛を表せるのは、いつも「今」しかない。
123 自分を最優先する者は愛を知らずに終わる。
124 見たことのない人を愛せる者が、真の人間である。
125 人は悲しみの解毒剤を持っているから、悲しみで死ぬことはない。
126 愛情のないところに成功は生まれない。
127 愛と嫌悪は別々でも裏表でもなく、境を接してつながっている。
128 最上の恋は、自分からは始められない。
129 男の恋心の動きを、女はよく知っている。
130 すべての人が他人のために生きれば、すべての人に無上の愛が訪れる。
131 愛は、真の幸福の扉を開ける鍵となる。
132 自分に必要な人だけに傾ける愛は、真実の愛ではない。
133 自己愛のむなしさを知らない者は、真の愛を見つけられない。
134 もし悪意を持ってしまったら、その悪意を含めた自我をいったん放棄してみる。
135 愛情を持てば持つほど、苦しみの総量は減っていく。
136 他人の悪ではなく、自分の悪を減らすことが世の中を平和にする。
137 怒りをあらわにすれば、その怒りは増大してしまうものだ。
138 自分のための愛はない。愛の中に見える幸福だけが愛する理由となる。
139 自分を憎しみから解放できたとき、最高の喜びが生まれる。
140 あなたが人を愛する力は、敵を愛せるか否かでわかる。
141 誰をも裁く必要はない。裁こうとしたその瞬間にも、人は変わっていくからだ。
142 刑罰は正義から生まれたものではなく、人々の悪い欲望から生まれたものだ。
143 誰かの手で「愛」と名づけられた価値観は、すべて一度は疑ってみるがよい。
144 愛とは、自分の命の拡張である。自分以外のものと一体となることである。
145 すべての人を愛することこそ、すべての苦しみに効く解決策なのだ。

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