〈40男〉はなぜ嫌われるか

田中俊之

「若いですね」と言われたい中年男性の正体!

定価
947円(本体861円+税10%)
ISBN
9784781650579
JANコード
1920230008616
NDC分類
367
発売日
2015年8月7日
判型
新書判  
製本
ページ数
208ページ
カテゴリー
人文・思想
シリーズ
イースト新書

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
2015年時点で30代後半から40代前半までの男性を、本書では「40男」と呼ぶ。この世代は、「昭和的男らしさ」と「平成的男らしさ」の狭間を生きている。「働いてさえいればいい」と開き直ることも難しいし、若い世代のようにさらりと家事・育児もこなせない、自分の両面性に葛藤し続けてきた男たちである。問題は、若い女性への強い興味に象徴される、そのリアリティと現実のギャップにある。40男の勘違いは、他人に迷惑をかけるだけではない。そのギャップは、僕ら自身の「生きづらさ」に直結しているのだ。

田中俊之(たなか・としゆき)
1975年生まれ。武蔵大学人文学部社会学科卒業、同大学大学院博士課程単位取得退学。博士(社会学)。学習院大学「身体表象文化学」プロジェクトPD研究員、武蔵大学・学習院大学・東京女子大学等非常勤講師を経て、2013年より武蔵大学社会学部助教。社会学・男性学・キャリア教育論を主な研究分野とする。2014年度武蔵大学学生授業アンケートによる授業評価ナンバーワン教員。男性学の視点から男性の生き方の見直しをすすめる論客としてメディアでも活躍。単著に『男性学の新展開』、『男がつらいよ』がある。
はじめに ~リアリティのなさと迫りくる現実~
現実を直視する
三〇代と何が違うのか
ほとんどの男性は何も成し遂げられない
中間地点で立ち止まる

第一章 僕らは何を着ればいいのか
例外的に若いという思い込み
鏡に自分を映してみる
最後に服を買ったのはいつか
Made in USA!
スマートカジュアル全盛時代
スウェット上下でどこまでも
誰のためのおしゃれか

第二章 友だちはどこにいった
他人になってしまった友だち
定年退職者の抱える虚無感
繰り返される思い出話の価値
40男の休日
友だちの作り方
男性は上手く距離を縮められない
40男にとっての友だちとは

第三章 なぜ若い女の子が好きなのか
どうしても気になる若い女の子からの評価
キャバクラは何が楽しいのか
援助交際からJ‌Kビジネスへ
神降臨
重荷を下ろすとき

第四章 男女の友情─若き日のあの問い、いま僕らは答えを出そう
未婚、ついにプロ化
男女の間には友情が成立するか否か問題
ところで、モテたかった……よね?
ところで、モテなかった……よね?
僕たちの失敗
単純な事実を理解する
男女の友情の扉が開かれる

第五章 40男の歪んだ世界
「働くしかない現実」と「働いてさえいればいいという意識」
40男の近未来
染みついた思考
歯車なんだよ
時間で管理された世界
そして、一本の道ができた
目を逸らさない

第六章 40男は夢をつかめるのか
夢の終わり
決定的な格差
「普通」という苦悩
眠れる獅子幻想を葬り去る
夢を託せば助かるのか
40男よ、夢を抱け!

第七章 40男よ、そろそろ政治を語れ
日本は終わらない
右翼と左翼
ウヨクとサヨク
あのベストセラーが手元にあるのなら
崩壊しない「バカの壁」
雑な世代論
政治的な知見を育てる
40男の重責

第八章 どうしてこんなことになってしまったのか
40男の困惑
戸惑いの原点
一九九〇年代はいまから二〇年前です
そして、僕らは働き始める
過去と現在のギャップ
会心の一撃

第九章 これからの四〇年をどう生きるか
中年を悟るとき
物語の終わり
定年後を視野に入れる
若者を見守る存在として
親を失うこと
いつか来るその日

おわりに ~清々しいおじさんになるために~
清々しいおじさん
鬱陶しいおじさん
正気を取り戻す

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