鉄道王たちの近現代史

小川裕夫

小林一三、堤康次郎、五島慶太、渋沢栄一、正力松太郎、田中角栄…
巨人がつくった「この国のかたち」

定価
998円(本体907円+税10%)
ISBN
9784781650340
JANコード
1920230009071
NDC分類
686
発売日
2014年8月8日
判型
新書判  
製本
ページ数
328ページ
カテゴリー
ビジネス・経済
シリーズ
イースト新書

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
二一世紀の日本でスケールの大きな経営者といえば、坂本龍馬を尊敬し、つねに「この国のかたち」の変革を目指して経営を続けるソフトバンク社長の孫正義が知られている。明治から昭和戦前の日本でも、孫に負けずとも劣らない経営者たちが、日本を世界に通用する国に変革すべく鎬を削っていた。現在の日本人が当たり前のように享受している電力やエンタテインメント、インフラと、憩いを提供する観光地のほとんどは、「鉄道王」たちの周到な経営戦略によってつくられたものだった。彼らの悪戦苦闘の物語をひもとく。


小川裕夫(おがわ・ひろお)

1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーランスライター。取材テーマは地方自治、都市計画、内務省、総務省、鉄道。著書に『踏切天国』(秀和システム)、『全国私鉄特急の旅』(平凡社新書)、『都電跡を歩く』(祥伝社新書)、『封印された鉄道史』『封印された東京の謎』(彩図社)、編著に『日本全国路面電車の旅』(平凡社新書)、監修に『都電が走っていた懐かしの東京』(PHP研究所)がある。
はじめに

第一章 鉄道王がつくった「この国のかたち」
黒船とともに来航した鉄道
最初に鉄道に着目した高島嘉右衛門
鉄道に追いつめられた西郷隆盛
線路の幅を決めた大隈重信とイギリスの関係
日本初の鉄道は新橋─横浜間ではなかった
軍部の反対にあった東海道本線
「最後の藩主」蜂須賀茂韶が設立した日本初の私鉄
大木喬任の外貨獲得戦略と富岡製糸場
初めて食堂車と寝台車を導入した中上川彦次郎
日本の「鉄道の父」井上勝
なぜ日本の幹線はJ‌Rばかりなのか
大阪資本が東京でつくった日本初の私鉄
国家に戦いを挑んだ関西鉄道の白石直治
地場の資本に期待した「軽便鉄道法」
小林一三がつくった私鉄のビジネスモデル

第二章 鉄道と原発
電力会社の技師だった「電車の父」藤岡市助
電車のルーツは路面電車だった
「なんでや!路面電車なら問題ないやろ!」
鉄道が生み出した「時間厳守」の国民性
京都で「電力革命」を起こした大沢善助
電力会社の手で普及した電気鉄道
「電力の鬼」松永安左エ門と福岡の路面電車
福沢桃介が主導した電力会社の巨大化
都電荒川線をつくった「電車王」才賀藤吉
世田谷区のブランドを高めた電力と「玉電」
電力事業「国有化」でピンチに陥った京王
東京人の渋沢栄一らがつくった関西私鉄
正力松太郎と「原子力の平和利用」
福島第一原発と堤康次郎
知られざる東京都交通局の電気事業

第三章 鉄道と都市計画
国民のサラリーマン化に着目した小林一三
小林一三が最初に手がけた池田室町
渋沢栄一の最後の夢だった田園調布
田園調布計画を実現した五島慶太
東急のノウハウの集大成だった多摩田園都市
不動産業から鉄道業に転じた堤康次郎
内務省とタッグを組んだ根津嘉一郎の「ときわ台」
「政商」利光鶴松と小田急の林間田園都市
なぜ鉄道王は「学園前」駅をつくりたがったのか
小林一三の「逆方向」の電車に学生を乗せる戦略
慶應義塾の誘致で栄えた東急日吉駅
堤康次郎の悲願だった国立学園町
東京郊外の価値を飛躍的に高めた「相互乗り入れ」
正力松太郎が動いた京成の「都心進出」

第四章 鉄道と百貨店
駅ビルのはしりとなった「豊橋民衆駅」
「エキナカ」のルーツはイギリス人の新聞販売だった
呉服屋が百貨店に転じた理由
小林一三と日本初のターミナルデパート「うめだ阪急」
なぜ東武浅草駅には松屋が入っているのか
「地下鉄の父」と日本初のネーミングライツ「三越前」
じつは京急資本がつくった池袋西武
白木屋を飲み込んだ五島慶太の深謀遠慮
川又貞次郎がこだわった横浜髙島屋の誘致
有名百貨店とタッグを組んだ地方私鉄
国鉄分割民営化で変貌を遂げたターミナルビル

第五章 鉄道とリゾート
社寺参詣ブームで拡大した鉄道網
生駒トンネルの貫通を果たした金森又一郎のアイデア
国家神道の奨励と近鉄の躍進
第一次成田山戦争─総武鉄道v‌s成田鉄道
第二次成田山戦争─京成電鉄v‌s国鉄
日光を「国際観光都市」に育てた東武
根津嘉一郎が参画した南海高野線
南海がつくりだした海水浴ブーム
「皇室の定宿」が鍵を握った近鉄の伊勢志摩開発
犬山開発でトヨタ王国に戦いを挑んだ土川元夫
バブル崩壊に散った名鉄の知多半島開発
雨宮敬次郎が最初に注目した軽井沢
堤康次郎が軽井沢で生み出した日本の「リゾート」
箱根山戦争─西武グループv‌s小田急グループ
伊豆戦争─西武グループv‌s東急グループ
今度は路面電車区間の存在でピンチに陥った京王
京王の起死回生を懸けた「駅弁大会」

第六章 鉄道と地方開発
官営鉄道より先に伊予鉄道をつくった小林信近
地方開発のあだ花となった軽便鉄道
「大日本軌道」で全国制覇を目論んだ雨宮敬次郎
京浜工業地帯を発展させた浅野総一郎
私鉄推進派の井上馨v‌s国有化推進派の井上勝
富山県を「交通一元化」で発展させた佐伯宗義
大林芳五郎がつくった広島電鉄の底力
富士山麓を「富士急王国」に育てた堀内良平
知事と実業家の連係プレーが生んだ「新婚旅行のメッカ」宮崎
田中角栄が夢見た新幹線による「日本列島改造論」

第七章 鉄道とエンタテインメント
さらに進化する小林一三の「逆方向」戦略
東京ディズニーランドのルーツは京成バラ園だった
「東京ディズニーランドの父」川崎千春の功罪
原発、正力松太郎、ウォルト・ディズニーを結ぶ「点と線」
五島&渋沢コンビが考案した「高級遊園地」多摩川園
あえて「教育施設」としてつくられた西鉄の到津遊園
京阪グループの窮地を救った菊人形展
文学青年だった小林一三の執念が生んだ宝塚歌劇団
プロ野球による集客も考えた小林一三
読売ジャイアンツの創設にかかわった京成
阪神甲子園球場に込められた野田誠三の戦略
「国鉄スワローズ」参入の裏側

第八章 鉄道と旅行ビジネス
慶應義塾O‌Bがつくった時刻表市場
駅弁業者から転身した「旅行業界の父」南新助
外国人観光客誘致のためにつくられた旅行代理店
J‌T‌Bをつくった木下淑夫、育てた生野団六
「国際連絡列車」に着目した江木翼鉄道大臣
鳥瞰図で鉄道ブームに火をつけた吉田初三郎
「ガイドブックの父」でもある中上川彦次郎
「ディスカバー・ジャパン」を始めた国鉄の事情
宮脇俊三と「いい旅チャレンジ20,000km」
佐伯勇がバックアップした「第二の旅行代理店」
修学旅行需要から生まれた二階建て車両「ビスタカー」
国鉄を「サービス業」に変革した石田礼助
鉄道は絶対に復活する

主要参考文献一覧
企画・編集協力:株式会社 清談社

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