革命とパンダ 日本人はなぜ中国のステレオタイプをつくりだすのか

張予思

「嫌中」の源流にあった、「親中」の時代――。開沼博氏、絶賛!

定価
1,870円(本体1,700円+税10%)
ISBN
9784781613772
発売日
2015年11月13日
製本
ページ数
238ページ
カテゴリー
歴史・地理

詳細Detail

  • 内容紹介
  • 目次
日中関係がこの上なく悪化している現在、「嫌中」の源流はどこにあったのか? 1949年に誕生した新しい共産主義国家に、日本人が最初に出会ったのは、文化大革命だった。当時の全共闘は、その「革命」に一つの理想郷を見た。その後に訪れたのは、日中国交正常化がもたらした「パンダ」ブーム。自然、平和の象徴としてのイメージが日本人に刷り込まれた。しかし、革命の中国も、パンダの中国も、「虚像」にすぎない。今日に至るまで、なぜ日本人は中国をステレオタイプとしてしか見られないのか。開沼博氏、絶賛! 巻末に吉見俊哉氏の解説付き。

張 予思(ちょう よし)
1986年12月25日生まれ。中国・江蘇省南京市で育ち、中学と高校、南京外国語学校で日本語を学ぶ。名古屋の高校で半年間交換留学を経験。2005年、北京師範大学・文学部に入学。2009年に来日。外国人研究生を経て、2011年東京大学・学際情報学府修士課程に入学。2013年、修士号取得。同年、テレビ朝日入社、報道局に配属。
序章 嫌中の源流を辿るために
嫌中の嵐の中
中国のイメージを議論するにあたって
「ステレオタイプ」とは
「他者」と「自己」
中国イメージと戦後日本社会
議論の材料
なぜ「革命」と「パンダ」なのか

第一章 「革命の国」・中国―1960年代
1940年代からの「革命中国」源流
中国革命に対する世界の注目
革命、共産主義と学生運動
革命の時代―1960年代の日本
日米関係と安保闘争
「共産主義」の理想
「革命中国」イメージの構築
各政党の態度
知識人の「革命中国」観
マスメディアに登場する「革命中国」
全共闘における「革命中国」イメージ
革命に見る―中国というユートピアⅠ
全共闘によって構築された「革命中国」イメージ
革命中国というユートピア

第二章 「パンダの国」・中国―1970年代
1970年代以前のパンダ認識
1970年代以前の日本社会におけるパンダへの認識
50~60年代の日中国交正常化の動きおよび中国のパンダ外交の始まり
消費社会へ―1970年代の日本
経済中心と公害問題
消費社会と大衆時代の到来
「パンダの国」イメージの確立
政治的なパンダの変遷
盛り上がるビジネス界
大衆のパンダ像
マスメディアと「パンダ」
パンダに見る―中国というユートピアⅡ
マスメディアが作り出した「パンダの中国」
「パンダの国」というユートピア

第三章 「革命」と「パンダ」―中国イメージ構築のパラダイム
「革命」と「パンダ」の関係性
あさま山荘事件という分岐点
ニクソン訪中と冷戦構造の変動
消費社会に飲み込まれる日本社会
中国というユートピアの意義
日本における中国ステレオタイプ構築のパラダイム

終章 中国イメージの今日―ユートピアの消失と新たなステレオタイプ
「革命」と「パンダ」中国の消失
「脅威」と「成金」~21世紀の中国ステレオタイプ~
「脅威」~政治の中国ステレオタイプ~
「成金」趣味 ~経済・文化の中国ステレオタイプ~
直視できない中国

注釈
参考文献
解説 吉見俊哉
あとがき 直視できない日本自身

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